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【コラム#18】 採用現場で起こりやすい法的リスク ~既往歴確認と内定取消の注意点~

採用面接で応募者の病歴、例えばメンタル疾患の既往歴を尋ねることは、差別的取扱いに繋がるおそれがあり、職務適性や能力評価に直接必要でない限り控えるべきです。 

また、雇い入れ時健康診断の既往歴・業務歴の確認の際、メンタル疾患その他の既往歴が判明したとしても、それを理由に内定を取り消すことはできません。内定取消は、法的には「労働契約の解約権の行使」とみなされ、客観的かつ合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合には、権利濫用として無効とされます。 

たとえ、雇い入れ時健康診断の結果において「就業制限」の評価が示された場合であっても、その評価のみをもって内定を取り消すことはできません。労働者の健康状態が業務の遂行に明らかに支障を及ぼすと医学的・客観的に認められ、かつ配置転換や就業上の配慮によっても対応が難しいといった事情が認められない限り、内定を取消すことは難しいと考えるべきです。 

採用内定後に心身の不調が明らかとなった場合は、就業上の配慮や配置転換の検討など可能な限りの対応を優先し、様々な配慮、検討を尽くしたうえで、内定取消の判断を行う必要があります。 

雇い入れ時健康診断の結果や既往歴の開示を契機とする内定取消しは、合理性や社会的相当性の判断が極めて難しいため、法的リスクを十分に踏まえた慎重な対応が求められます。 

今回のテーマに関するご相談事例です。 

・採用面接時の既往歴の聴取や内定後の雇い入れ時健診の結果による内定取消は可能か 

採用選考における既往歴の聴取には、慎重な対応が求められます。 

また、雇い入れ健診結果によるものに限らず、内定取消の判断を行う際には、専門家の法的助言を受けることが不可欠です。 

上記に当てはまる場合は、ぜひ北海道雇用労働相談センター(HECC)をご利用ください。

(執筆者: 背戸 美樹 相談員)
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