- コラム
- 2025.11.11
【コラム #13】懲戒解雇を行うために

こんにちは、北海道雇用労働相談センター相談員(弁護士)の渡部です。
「素行が悪い社員を懲戒解雇したい。」と考えた時、実際に懲戒解雇を行うためのハードルは想像以上に高いといえます。
その理由を一般的な解雇である普通解雇と比較して見てみましょう。
普通解雇とは、労働者の債務不履行(能力不足等、契約の本旨に従った労務を提供しないこと)を理由に労働契約を解消することをいい、懲戒解雇とは、労働者の重大な企業秩序違反に対する制裁として労働契約を解消することをいいます。
制裁としての性質を有する懲戒解雇は、普通解雇に比べ、労働者の再就職に大きな障害となります。失業保険においては、3か月の給付制限期間が設けられ、退職金についても、就業規則の規定に基づき不支給となる場合がある等、労働者の不利益が非常に大きいものとなります。
また、普通解雇については、30日前の解雇予告又は解雇予告手当の支払いが必要であるのに対し、懲戒解雇では、重大又は悪質な義務違反ないし背信行為がある場合には、労基署の除外認定を得ることで解雇予告手当を支払うことなく即時解雇が可能となります。このため、懲戒解雇は、解雇を無効とする解雇権濫用法理の適用上、普通解雇よりも厳しい規制に服すと考えられています。
さらに、懲戒解雇を行うためには、就業規則に懲戒解雇の事由を明確に定めておく必要があり、手続として、労働者にきちんと弁明の機会を与えることも重要です。
このように、懲戒解雇が有効となるかどうかは、高度に専門的な判断を要します。裁判で無効と判断されれば、会社に生じる損害も大きいため、実行に移す前に、是非一度専門家にご相談されることをお勧めします。
今回のテーマに関するご相談事例です。
・懲戒解雇が有効とされるための要件や手続を知りたい。
・懲戒解雇しようと考えている社員がいるが問題はないか。
ぜひ上記に当てはまる場合は、北海道雇用労働相談センター(HECC)をご利用ください。
(執筆者: 渡部 泰輔 相談員)
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