こんにちは、北海道雇用労働相談センター相談員の天間です。 

「固定残業代」とは、あらかじめ一定時間分の残業代を定額で支払う制度で、名称にかかわらず「割増賃金」の一形態です。深夜労働や休日労働の割増分を含む場合もあります。決められた時間を超えなかった月でも定額が支払われるため、会社・従業員ともに実際の「時間管理」と結びつかないことが難しいところです。
重要なのは、「一定時間分の残業代を定額で払っているだけ」であるという点です。実際の残業時間が固定時間を超えた場合、会社は必ず超過分の割増賃金を追加で支払う義務があります。そのため、正確な労働時間の把握が欠かせません。逆に、固定時間より常に残業が少ない場合は、過大な設定によって残業が当然視される風土を生む恐れもあるため注意が必要です。
このほか、導入にあたっては次の2点が特に重要です。
①「これが基本給」「これが割増賃金」と明確に区別できること（明確区分性）。
②支払う定額分があくまで残業（深夜・休日労働）に対する割増賃金であり、役職手当や営業インセンティブなど他の性質を含まないこと（対価性）。
これらが守られていないと、固定残業代自体が否定され、未払い残業代が発生する恐れがあります。「うちは大丈夫？」と思ったら、HECCにご相談ください。

今回のテーマに関するご相談事例です。

・固定残業代制度を正しい運用で設定したい。

・毎月の残業時間と手当ては正しく計算されているか確認したい。

ぜひ上記に当てはまる場合は、北海道雇用労働相談センター（HECC）をご利用ください。

（執筆者： 天間 紀子　相談員）

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