- コラム
- 2025.10.31
【コラム #2】就業規則の変更による労働条件の不利益変更は、労働者と合意することなくできる?

会社を経営していると、就業規則の内容が会社の実情に合わなくなり、就業規則を変更する必要が生じることがあります。この点、就業規則の変更による労働条件の変更が労働者にとって不利益であっても、変更後の就業規則を労働者に周知させ、且つ、変更が合理的であれば、労働者と合意することなくできます。しかし、このことは就業規則を簡単に変更できることは意味しません。要注意です。
ポイントは、「その変更が合理的か否か」です。法律は「就業規則の変更に係る事情」に照らして合理的か否かを判断すると定めています。そして、「就業規則の変更に係る事情」とは、①「労働者の受ける不利益の程度」、②「労働条件の変更の必要性」、③「変更後の就業規則の内容の相当性」、④「労働組合等との交渉の状況」などです(労働契約法第9条、第10条ご参照)。
つまり、(1)変更によって労働者の受ける不利益が小さく、変更の必要性が高く、変更後の内容が妥当であり、労働組合や従業員代表への説明と意見聴取が実施されているという場合や、(2)変更によって労働者の受ける不利益は小さくないものの、変更の必要性が極めて高く、変更後の内容は妥当であり、労働組合や従業員代表への説明と意見聴取が丁寧に積み重ねられており、不利益の代償措置や激変緩和措置が取られているという場合は、いずれも「合理的だ」と評価される可能性が高いでしょう。
経営者都合で「変更は合理的」と安易に判断して就業規則を変更し、労働者に不利益に労働条件を変更することは、労使トラブルを招きかねませんので、要注意です。
今回のテーマに関するご相談事例です。
・当社で検討中の就業規則の変更内容が合理的かどうか事前に確認したい。
・就業規則を変更するための適切なプロセスを知りたい。
ぜひ上記に当てはまる場合は、北海道雇用労働相談センター(HECC)をご利用ください。
(執筆者: 津田 秀太郎 代表弁護士)
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